継続していくことに意味がある

「続けること」をテーマにまずは100記事を目指しています

牛タン屋に行きました。仙台の有名な牛タン屋「利休」や「若」と違って闇が深かったです。「とろろ小 330円」は温泉の「おいしい水 200円」より高く感じました。

「二度と来ねぇ」

 

この言葉は私の連れ決め台詞です。連れは思ったことを素直に言っちゃうタイプなんですが、気に入らない味やスタッフの対応があった場合にはこの名(迷?)言が飛び出します。今日もこのセリフが空に飛んでいきました。

 

今日私たちが訪れた店は仙台のとある牛タン屋でした。その牛タン屋ではオレンジ色の服を着た店長(料理長)がまるでボスキャラのように座っていました。すごい気さくに話しかけてくるフレンドリーな感じのおじさんで、昭和の時代にいるような雰囲気のするお店でした。そのお店の前にある看板には、ランチメニューのタン定食1080円と書いていました。牛タン定食にしては料金も安いし、牛タン食べたかったし、よし、この店にしよう!と私が決断しました。

 

お店に入ろうとしたのはちょうどお昼時でした。12時半。飲食店ではお客さんのかき入れ時です。隣には洋食屋があり、その洋食店はすごい混雑していました。私たちはその混雑している洋食店の隣の牛タン屋に入ったんです。まず外から中を見てみると、お客さんはひとりもいませんでした。隣の洋食屋はほぼ満席、この牛タン屋はひとりもいない。この時点で私は何かに気付くべきだったのかもしれません。と今思っても後の祭りですが。

 

中に入って席に座ると私たちは早速注文しました。「ランチ定食2つください」と。するとオレンジのおじさんが、ランチメニューは豚タンだけどいいかな?と言ってきました。私は「あ、ランチは豚タンなのか、じゃあ牛タンにしよう」と思い、メニューにあった牛タン定食1800円ほどを注文しました。連れはそこまで牛タンに固執していないようで、そのままランチメニューを注文しました。

 

注文が通り、しばらくするとオレンジのおじさんが話しかけてきました。「豚タンすごい時間かかりそうだから牛タンでもいい?」と。ん?そんなことあるんだ、と思いましたが、時間がかかるならと連れもしぶしぶながら牛タン定食に変えて注文することになりました。

 

その代わりサービスするからね!と言っていました。「あ、サービスしてくれるんだ、それはありがたいな」と思いながらも、料理が出てくるのをしばらく待っていました。料理が出てくるまでの間、周りを見回してみると、サンドイッチマンのポスターだったり、綾小路きみまろのサインだったりがありました。有名人たちも来てるんだ、と思いながら、私の牛タン定食への期待は高まっていきました。

 

しばらくすると最初にテールスープが出てきました。これはもうお決まりですね。まずは「いただきます」をしてからひとくち飲んでみました。ん?味がしない。とりあえず味についてはお互い何も言わずテールスープの皿を置きました。

 

次に麦飯ごはんが来て、最後に待ちにまった牛タンが運ばれてきました。連れの席に最初に運ばれてきた牛タンは、焼き肉を自分で焼いてたら「ちょっと焦げちゃったよ、てへっ」ていう感じの牛タンでした。「てへっ」じゃねぇよ。と思いつつも牛タンに齧りつました。味はけっこう塩味濃いめ。塩味なんだけど味噌ついてるんじゃないか?ってくらい濃いめの味付けでした。酒には合いそうだなぁと思いました。

 

料理って見た目が大事だと思うんです。焦げたような黒い牛タンが出てきた時点でちょっと悲しい顔が私たちの顔には張り付いていました。そんな私たちにオレンジのおっさんは「いっぱいサービスしておいたよ!」って言ってきました。焼き具合をサービスしてくれたのか、塩味をサービスしてくれたのかは分かりませんでした。

 

でもさすがに私も社会人のひとりです。「ありがとうございますー、ははっ」と答えます。「ははっ」じゃねぇよ。

 

そして私は発見してしまったのです。メニューにある「とろろ小 330円」という文字を。「とろろ小たけー!ぼったくりやん」とエセ関西弁で心の中で突っ込みましたが、これを連れに伝えて、余計なことを言われても困るからと私は心の中にそっと包み込みました。

 

お互いに食べ終わり、ふと連れのテールスープを見てみたらほぼほぼ残っていました。だろうな、と思いました。お会計をしようとしていると、オレンジのおっさんが「美味しかった?また来てね」と言って来ました。私たちは「美味しかったです」とは言えず、「ごちそうさまでした!」と答えました。

 

外に出て、連れの口からある言葉が出ました。「二度と来ねぇ」わかるーと思いました。